2021-01-01から1年間の記事一覧

濱口竜介『偶然と想像』。濱口監督の映画は他の映画よりわざとらしいのか、作られた感が強いというか、それがあえて手口を明かしてるように見えることで成功したのか、第二話の通り「扉は開けたまま」といえばいいのか。あの朗読なんか映画の冒険の標準とし…

藤川史人『Supa Layme(スーパ・ライメ)』

www.youtube.com 藤川史人氏による解説は「KANGEKI 間隙」vol.15が詳しい。 pole2za.com tdff-neoneo.com www.peru-film-festival.com pff.jp 予告がなく遅刻してしまい、おそらく最初のカットが既に始まっていて後悔する。ロングの絶景、リャマか、アルパカ…

ホウ・シャオシェン講義録を読んでると、ブレッソンへのインタビュー集に出てきた、たとえばグレタ・ガルボの映画を見てもグレタ・ガルボが現場の蠅を気にしてるのがわかってしまうといった話(本が見つからずうろ覚え)が、観察眼を鍛えろという話のほか、…

近しい人が感謝を語り、またはあえて特に語らず、そんな中で観客として井川耕一郎氏の死は呆気なさ過ぎて、あまりに寂しい。シネマテーク・フランセーズのサイトで(別に今かかっている作品を貶すわけではないが)『たからぶね』も『ついのすみか』も『西み…

ラピュタにて五所平之助の落ち穂拾い『雲がちぎれる時』UAの歌を思い出すタイトルだが、やはりドキュメンタリーのように始まり、人形劇のようになり、そしてトンデモと言われそうで、実に丁寧に悲しい結末をたどる。倍賞千恵子も薬師丸ひろ子のようにややふ…

【告知】12月21日(火)-26日(日)茶会記PLAY-ACT vol.11 プログラムE『鈴木史特集上映/順応』

sakaiki-play-act-11.studio.site 今月12月21日(火)-26日(日)開催『茶会記PLAY-ACT vol.11』(ただし会場は四谷の茶会記の移転にともない、池袋の東京芸術劇場アトリエウエスト)のプログラムEにて鈴木史さんの作品を上映します。WEB内の企画紹介文と22…

シネマヴェーラのオルガスムセレクションにて加藤彰『のけぞる女』。『エターナルズ』や『デューン』や『最後の決闘裁判』の半分の時間しかなく、映画そのものも半分程度の時間に相応しいが、『マリグナント』より凄い映画(適当な感想を書いて後悔している…

相次ぐ絶賛を目にしてジェームズ・ワン『マリグナント 狂暴な悪夢』をみた。狂暴な悪夢としか言いようがない。ロメロ、アルジェント、デ・パルマ(何気に40年生まれトリオ)の詰め合わせというか、クローネンバーグもカーペンターも合わせて音楽もどっか聞い…

gojogojo.com 『老後の資金がありません!』見る気になれない映画の一本だったけど、読んだら気になって早速見た。最後はCMっぽいとか、字幕が多いとか(さすがにデカいテレビでお年寄りたちとテレビを見ながら笑ってるような体験)、うやむやもやもやするこ…

穐山茉由『シノノメ色の週末』おじさんしかいない昼のシネマ・ロサで見るのはキツいなあとなるが。乃木坂の元リーダー主演だから? 序盤はスーツ姿のモデルの撮影から始まる。会社員経験のない女性が化粧をきめてスーツで撮られていること自体の不自然さが(…

アレクサンドレ・コベリゼ『見上げた空に何が見える?』

www.online-filmex.jp www.fujisan.co.jp mubi.com ポパイの最新号だか再刊だかの映画特集にて、三宅唱セレクションの「サッカー映画」(サッカーの試合を見ているような気になる映画?)についての文章が再掲されていて、そこにレオ・マッケリ―『めぐり逢い…

地震が多く、五時間くらい寝ると起きてしまい、集中力も落ちている。東京国際映画祭の『洞窟』もやってると気づかず(てっきり昨日で終わったとばかり思っていた)、しかし撮影レナート・ベルタがよかったしか皆いわないからそんなものだろうと無視して『デ…

本当に恥ずかしながら、ようやく自宅にて田中絹代『乳房よ永遠なれ』を見た。機会はいくらでもあったのだから(今回の映画祭然り)アイダ・ルピノ監督作より先に見れたはずなのに何をやってるんだと、わざわざ書いて人に読ませるのも何だが。そしてルピノを…

2021.tiff-jp.net 後回しにしてきた田中絹代監督作のチケットを譲っていただき『流転の王妃』。「軍」という主体の曖昧な組織と、傀儡政権と、華族の婚姻に始まって、娘の自死の原因をめぐって引き離されたままの夫婦の手紙によって終わる。夫婦は顔も合わせ…

vimeo.com www.youtube.com www.youtube.com 五所平之助特集。ニワカなので、ここ数年の上映を後回しにしてきた『糸あやつり 人形劇映画 明治はるあき』、やはり凄い映画。五所の映画はよく喋る印象あるが、人形だからほとんど喋らないのもいい。キャリア内…

結局のところモグリなので五所平之助のことさえ避けてきたままだった。先日の二作に続いて『螢火』を見て、数日前に「勉強」とか書いてしまったのが嫌になった。これまたビシビシ来る。あくまで寺田屋を舞台の中心にして、画面外から繰り返されることになる…

五所平之助特集に通い始める。 これまで後回しにしてきた監督の一人だからありがたい。帰りに知人友人から五所ファンの話を聞いて、まともに追う気になれてなかった自分はまだまだガキだなとか思う。マイケル・カーティス的な位置?と思いつきかけたが、別に…

月曜日。早稲田松竹のダニエル・シュミットを見に行く。『べレジーナ』の度数20以上ありそうなリキュール「修道尼」は3ショット耐えればいくらでも飲める身体になるという(ロシア人もしくは山の民の底力?)恐るべき飲んだくれ映画だと忘れてた。それだけで…

ロメロ『アミューズメント・パーク』。予告の段階から眠気に襲われ、そのまま前半集中できなかった。結局ロメロの映画とは何か言葉にしにくい存在に変わりないまま(といいつつDOMMUNEは見逃している)。社会派であり、教訓はあり(『クリープショー』に近い…

気になってしまい悪名高い『デビル・ストーリー』を見る。『ONODA』に続き、ブニュエルを(特にメキシコ時代のを)見返したくなる映画だった。深尾道典を見たとき(また大分以前に見た『わいせつ女獣』の関良平とか)くらいは唖然とした。特にトトロみたいな…

アルチュール・アラリ『ONODA』

アルチュール・アラリ『ONODA』を見る。勢いで「今年一番面白かった気がする」と知人に言ったが、冷静に振り返ると本当にそうなのかは何ともわからない。『MINAMATA』といい海外から日本のことを扱ってほしい欲望の何かスポンサー的なバックや時代の流れが存…

中川信夫『夕焼け富士』。20分ほど遅刻した上、夜勤明けのため意識を何度か失う。しかし起きていた限り『東海道四谷怪談』の要素は揃っている。伊藤雄之助が外見のおかげか伊右衛門的な立場なのが興味深い。彼が人を殺める曲路をアラカンも行き来する。復讐…

ディーノ・リージ『1848』バレエから始まり、投石の瞬間は見えず窓が急に割れて声があがり、バリケードを築き始め、1948年のネオリアリズモの光景から100年前へ、イタリア独立の戦いを野外劇として上演しているように見える。西山洋市の配信された新作『愛と…

高橋洋脚本・監修『うそつきジャンヌ・ダルク』三部作。高橋洋の監督作は第三部のみ。第一部、二部もちゃんと面白い。 第一部(監督:福井秀策)、光射す野原を歩くヒロインのアップから、その背景の光源がプロジェクターによって投影された映画美学校の一室…

『ラ・フロール 第三部』4章まで。相変わらず微妙。「ようやるわ」と呆れる。ただナワポンよりはこっちをPFFでやったほうがよかったんじゃないかと(椅子的にも)思うが。それでもワンピースシリーズや『ジョギング渡り鳥』での鈴木卓爾や、諏訪敦彦『はなさ…

ラドゥ・ジュデを見れず、代わりに水俣の映画『MINAMATA』を見る。やはり微妙な映画というか、奇妙なものを見ている感じが拭えないまま。日本の海の光に見えないって、海なんか全然行ってないのに思ってしまうくらい。写真の再現や患者の肉体の作り物感も、…

ジョージ・キューカーの妙な戦争映画『有翼の勝利』コズミック出版から。画質はかなり悪い。序盤は『つばさ』風の話になるのかと思うが。ドキュメンタリー色つよく、たぶん珍しい訓練にやかましいくらい音声が繋げられて重なる場面が興味深い。空の戦闘その…

ランス・デイリー『リベンジャー・スクワッド』原題はアイルランド1847年のジャガイモ飢饉からBlack47。銀座シネパトスで見た『グッド・ドクター』が悪くなかった監督と覚えているが、そちらでははっきりとはなかったナイフによる暴力描写が地味ながらこれは…

ランス・デイリー『リベンジャー・スクワッド』原題はアイルランド1847年のジャガイモ飢饉からBlack47。銀座シネパトスで見た『グッド・ドクター』が悪くなかった監督と覚えているが、そちらでははっきりとはなかったナイフによる暴力描写が地味ながらこれは…

9/25

遠山純生『アメリカ映画史再構築』(読み終わってない)を書くきっかけがマイケル・リッチーと読んでから数本見たり見直したりしようとして、結局そんなに見てないままだが未見の『がんばれ!ベアーズ 大旋風』(ジョン・ベリー)。トニー・カーティスと若山…