ホウ・シャオシェン講義録を読んでると、ブレッソンへのインタビュー集に出てきた、たとえばグレタ・ガルボの映画を見てもグレタ・ガルボが現場の蠅を気にしてるのがわかってしまうといった話(本が見つからずうろ覚え)が、観察眼を鍛えろという話のほか、いくつかの点で何となく結びついてくる。ゲリラ撮影の際にはカメラから一度みんな離れて群集の関心がなくなってからやる、という話もジャン=クロード・ルソーのことを思い出した(カメラ盗まれないか?と心配だが)。ルソーも『シネマトグラフ覚書』の引用をしていた。読みかけで止まっていたジャン・ユスターシュ評伝も『ぼくの小さな恋人たち』のキャスト探しで、映画に出ようとしている子どもは全く駄目、という結論に至るくだりにブレッソンの名前が出てきた。というわけで『やさしい女』も見直さなければとなる。