2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

アイダ・ルピノ『強く、速く、美しい』まず母が主役?と知らず冒頭のナレーションから意外というか、爽快さみたいなものから程遠いラストを予感する。このタイミングだとどうしても『アネット』のことを連想する。アダム・ドライバー的な男は娘を連れて行っ…

ドロシー・アーズナー『ナチに愛された女』スタイルは全く違うがアラン・ドワン並に何本でも作れる監督の映画に見えたが、相変わらずの勘違いだったら申し訳ない。スクリーンプロセスの安っぽい追跡劇と爆破を終えた途端に、ラストの坂道を包む煙がいいのだ…

瀬々敬久監督『とんび』これを良いと言うと馬鹿なんじゃないかと一部から言われそうと勝手に不安になる。リアルタイムでは実感できない、ショーン・ペンの映画に泣くという感覚? 違うか。最初は『糸』より良い(不真面目だから、また一本見逃してしまった)…

アスガー・ファルハディ『英雄の証明』。映画以上に訴訟問題や、元になったらしき映画(アザデ・マシザデ本人のYOUTUBEにアップされた作品をさわりだけ見たら、やっぱりキアロスタミの影響下に間違いなくある映画で面白そうな……ここに書く前に最後まで見れば…

シネマヴェーラにて恩地日出夫監督『女体』『めぐりあい』。『女体』は『肉体の門』と同年だが『埴輪の女』(『あこがれ』が陶器なら、こちらは埴輪だ)も合わさって、過去と現在が結びつき、なぜ自分は今も生きているのか、という問いが浮上する。それにし…

アベル・フェラーラ『トマソ』を見る。このサイトで配信されているものを見たのは、ようやく三本目。ラドゥ・ジュデが終わったら解約かもしれない。フェラーラの映画自体、上映やったりやらなかったりだから、でも『地球最後の日』や『ハニートラップ』(ド…

恩地日出夫『あこがれ』を見にヴェーラへ。武満徹特集なのに「蛍の光」が頭から離れない。山田太一のドラマほとんど見てないのが、なんかもったいないことをしてきたように思う。ブラジル行きのさくら丸の出港、乙羽信子の声のかき消されているとも違う聞こ…

カラックスの『ポーラX』公開時のスタジオ・ボイスインタビュー読み直して、ブニュエル、シャブロル(ついでにリアルに富裕層を知るヴィスコンティ)に対する距離感(当時のカラックスが自らに皮肉屋のセンスはないと認めているのが興味深い)は、アダムのステー…

東映にしても、やっぱり映画は波から始まるべきかもしれない。『ゴダール・ソシアリズム』も『アネット』も波から始まった。『ポンヌフの恋人』に海を見たことがあるか、という会話は出てきたが、最近だとジェームズ・ガン『スーサイド・スクワッド』のイタ…

4/1 『アネット』初日、カラックスには会えず

いま、カラックス来てんだなあってざわめきがするなか(いや単なる入れ替えタイムかもしれませんが)『モダン・ラヴ』(今度の黒沢清の新作とまさかの同じ題)タイムだった。別にうるさいとかじゃなく、なんか興奮した。久々の『汚れた血』は記憶を上回る暗転…