2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『ヴィタリナ』(ペドロ・コスタ)

下高井戸シネマにてペドロ・コスタ『ヴィタリナ』を見直す。今回も修行足りず序盤ウトウトしていたら、なぜか途中入場してきた客が僕の席に座りかかろうとしてきたので一気に目が覚めた。その客の挙動が気になって少し集中できなかったが、ある意味コスタの…

『メイ・ディセンバー ゆれる真実』(トッド・ヘインズ)

水辺での焦点のボヤけた画を見ながら、一つ一つフィックスの画面に反して、カット同士の繋がりは『関心領域』のこともよぎって、ところどころ落ち着いて見れない。「ソーセージがない!」のズームと大仰な音楽から変だ。ホン・サンスが奇妙なズームをやめる…

『WALK UP』(ホン・サンス)

一軒のアパートのみを舞台に、あとは画面に出てこない済州島が気になる。ハングル一文字のタイトルが出て、文字の構造自体が映画そのものを現しているかもと錯覚する。 画面外についての映画という話も聞くが、『小説家の映画』同様、画面内にギリギリ全てを…

ヴァンサン・グルニエ特集@下高井戸シネマ

www.shimotakaidocinema.com 上映決定〈現代アメリカン・アヴァンガルド傑作選2024〉7/13(土)〜7/19(金)21:00日替り上映★13(土)、14(日)、18(木)上映後、西川智也さん(映像作家/キュレーター)と ゲストによるトークあり!現在ますます活況を呈しているアメリ…

『プロミスト・ランド』(飯島将史)

飯島将史監督『プロミスト・ランド』を見る。序盤は何故そのタイミングでカットして黒画面を挟むのか、編集の意図が掴めず、歯切れの悪い印象を受ける(役者も小林薫、三浦誠己、渋川清彦と見た人ばかり出てきて、あまりキャスティングに面白みは感じない)…

チャップリン『街の灯』『巴里の女性』『殺人狂時代』を早稲田松竹にて見直す。『街の灯』たしかにラストのチャップリンの手を触れて「目が見えるようになる」ことに、電流が走るような感動を覚えるのは変わりない。ただ女性の過ちに対してチャップリンが諭…

『フェラーリ』(マイケル・マン)

初日にマイケル・マン『フェラーリ』。今年で言うならエリセ、ベロッキオ新作と肩を並べられる、凄い映画だと思う(個人的にはホン・サンスも連ねたいが)。まず伝記映画と聞いて想像するモノローグなどなく、ただある日の朝の目覚めから始まる。しかしこの…