2025-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『FUKUSHIMA with BÉLA TARR』(小田香)

『FUKUSHIMA with BÉLA TARR』(小田香)。タル・ベーラが杖を振ろうとするのはニコラス・レイを意識してるのか?(『FUGAKU』の青山真治監督もやってるが。) タルと参加監督の掛け合いが面白く飽きはしないが、微妙なワークショップ映画のメイキングと思う…

『 ファーストキス 1ST KISS 』(塚原あゆ子)

スクリーンの松たか子を見るのは奇遇にも国アカの「日本の女性映画人(3)1990年代」にて上映される『K-20 怪人二十面相・伝』以来だが、相変わらずひとり言の芝居が凄いと思う。いや、そういうことなのかは断定できないが、序盤の送迎シーンでの無茶な運転…

『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』

北千住ブルースタジオにてペドロ・コスタ『ヴァンダの部屋』を久々に見る。コスタといえば必ず寝る監督の代表であって、夏のアテネ・フランセかユーロスペースで冷房浴びながら爆睡してしまう記憶(というか記憶喪失?)ばかり。とにかく『ナミビアの砂漠』…

『Broken Rage』(北野武)『エル・サント対吸血鬼女』(アルフォンソ・コロナ・ブレイク)

気になっていたので北野武『Broken Rage』を零時過ぎに見る。 『TAKESHIS'』や『フラクタル』の話など二面性や分身については繰り返し言われてきたし、本作のニュースが出た時点で思い出した人も多いから今更言うまでもないか。 予想通り『孤独のグルメ』の…

『母との記録「働く手」』(小田香)『春、阿賀の岸辺にて』(小森はるか)『3つの5windows』(瀬田なつき)『冬の庭』(松井宏、エレオノール・マムディアン)

小田香の作品では『カラオケ喫茶ボサ』が一番好きかもしれないが、そのカラオケ喫茶が2023年に閉店していたと知る。タイトル通りの「働く手」、冒頭の空模様など画の印象は強い。夜の台所に立つ母をベランダから撮ったカットの、どこか宇宙空間めいて浮いて…

『映画を愛する君へ』(アルノー・デプレシャン)

既にTwitterの感想など読んで危ういと思っていたが、テルアビブにてショシャナ・フェルマンに『ショアー』の体験を語る章が(すでに『或る夜の出来事』を語る際に「イスラエル」への言及はあるが)、さすがに今見ると気になって仕方ない。『シャイアン』につ…

『魔女の鏡』『ロスト・ハイウェイ』

そろそろ通えなくなってきたメキシコ映画祭にてチャノ・ウルエタ『魔女の鏡』(60年)。股間に怪物の顔という画のアップに前口上が重ねられる。鏡というよりモニターを前に、名付け子の死の予言を受ける魔女。シリーズ物の何話目かを観ているのかというくら…

『オークション 盗まれたエゴン・シーレ』

パスカル・ボニゼール『オークション 盗まれたエゴン・シーレ』。『華麗なるアリバイ』を見た時は「監督作はフツーの仏サスペンスって感じだな」と不遜で適当な感想しか思い浮かばなかった。しかし10年以上ぶりに見た新作は、これと言って驚きがあるわけでも…