2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『やす焦がし』(大工原正樹)

https://aoyama-theater.jp/pg/3465 大工原正樹監督『やす焦がし』、またしても女二人男二人の映画だった。女二人の踊りもある。そして勘違い男が情緒不安定な女と出会って恋に落ちる映画だと思って見ていると(実際そんな話でもあるが)、それぞれに異なる…

www.youtube.com 『季節の記憶(仮)』公式ホームページ 只石博紀監督『季節の記憶(仮)』。カメラを一人称の主観として用いた映像の逆を行くように、複数の人物が覗かずに持ち運び続けた映像。『食人族』『ブレアウィッチプロジェクト』『クローバーフィー…

kumagai2017.exhn.jp 熊谷守一『轢死』、変色その他の理由による黒さがかえって目をひく。それが真っ黒でもなくじっと見ればぼんやりと輪郭は見え、また立体的でもある。展示のキャプションその他から興味深い情報はたくさんあるが、何より小田香監督の『鉱…

『オレの獲物はビンラディン』が妙に後を引く。社会風刺的な要素として受け取れるものは、ほぼほぼない。ニコラス・ケイジの起用はヘルツォークやポール・シュレーダーあたりへの目配せなんじゃないかという気もするが、その二人がもしも監督していたら、良…

もう見るのは遅すぎるし何の発見にもならないし無意味な自慢にしかならないかもしれないが、ジョー・サルノ『A Touch of Genie』Blu-ray購入。ポルノの観客が、骨董品の壺を触ると登場する妖精の魔法によって、ポルノの登場人物になって性交する。妖精は壺か…

『WATER MARK』(中川ゆかり)@海に浮かぶ映画館

船に乗せられた人々についての舞台。客席と舞台を共有する揺れと寒さについて、「寒くないですか」と聞き続ける。「寒くないですか」という言葉が視点を切り替え、役者が羽織ることになる衣裳が床に、まるですでに脱ぎ捨てられていたかのように落ちているこ…

『ある惑星の散文』(深田隆之)@海に浮かぶ映画館

umi-theater.jimdo.com www.youtube.com これほど船に乗って見るために作られた映画はないと思う。深田監督は自らの作品の上映に最もふさわしい場所を知り尽くした戦略家なのかもしれない。だがそんな狙いだけじゃなく、作品のそこかしこに見え隠れする別の…

『南瓜とマヨネーズ』は『亀虫』や『シャーリー』のような連作の中・短編のようにも見えて、そこが良かった。別にリンチのように語りを断ち切っていくわけではなくて、男女が別の映画の人物になってしまったかのように変わって見える。そう書くと『ロスト・…