2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『季節のはざまで』(ダニエル・シュミット)

ダニエル・シュミット『季節のはざまで』。オーディトリウム渋谷以来。どんだけ人を入れようが、がらんどうだろうが、カメラを動かそうが、エロい話になろうが(鍵穴のところなんか凄い)、精神病院に行こうが、全てにおいてちょうどいい距離を維持し続ける…

『ペナルティループ』(脚本・監督:荒木伸二)

前作『人数の町』は蓮實重彦がコメント寄せていたから気になって見た(安易な動機で申し訳ないです)。『人数の町』はなかなか面白かったけれどラストがどうなったか思い出せない。ただスッキリしない終わりだったように思う。『ペナルティループ』もかなり…

レニー・ハーリン『ブリックレイヤー』

レニー・ハーリン『ブリックレイヤー』を見る。仕事が忙しくなると「映画なんか見てる場合じゃない」と大半は後回しになるのに見てしまった。最終的には「見てる場合じゃない」映画かもしれないが悪くない。いや、本当はもっと良くも悪くも今つくられている…

フィリップ・ガレル『ある人形使い一家の肖像』

www.wowow.co.jp ルイ・ガレルがウディ・アレンの映画に出演したからと結びつけるのは短絡的だが、近作でのモノローグを用いながら男女関係の顛末を語るスタイルがアレンとガレルを意外と近づけているかもしれない(それ以上に異なる面を意識するべきだろう…

・国アカにて沖山秀子脚本・監督『グレープフルーツのような女』。序盤の雪山でのパンから何を見せられているんだと困惑するが、だんだんとヘンテコなエロ映画というより、役者の監督作として興味深くなってくる。彼が海外へ立つことが決まって、一人で我慢…

『女課長の生下着 あなたを絞りたい』(監督:鎮西尚一 脚本:井川耕一郎)

鎮西尚一監督のフィルム上映に駆けつけないわけにはいかないと『女課長の生下着 あなたを絞りたい』を見にラピュタ阿佐ヶ谷へ久々に行く。冴島奈緒の役名は「小泉京子」、クレジットには「小沢健三」という役者の名前に94年らしさを感じる。舞台はほぼ窓際を…

サッシャ・ギトリ『トア』

劇中にてギトリは「政治には関心がない」「政治より演劇のほうが大事だ」と言うが、「政治も演劇も役者が交代していくのに変わりはない」と続き、「政治は演劇と同じだ」と話題に区切りをつける。作品全体の中で言えば脇道へ逸れたに等しいが、このような台…

『網目をとおる すんでいる』(清原惟)『手の中の声』(青石太郎)

scool.jp グループ上映会「発光ヵ所」の短編プログラムを見に行く。清原惟『網目をとおる すんでいる』(2018年)は5年ぶりくらいに見直したが、ほとんどどんな話をしていたか忘れていた。「住んでいる」と「澄んでいる」どちらともとれるタイトルと、川沿いに…

『すべての夜を思いだす』(清原惟)

予想していたよりもどう反応すればいいのか難しく、掴みどころがなく、壁のようなものを感じる。この捉えどころのなさを必要としている人々がいるのだろうと自分で言ってしまうと、本当にただ「興味が持てない」という酷な感想になってしまう。すれ違う人た…

サッシャ・ギトリ『ある正直者の人生』

サッシャ・ギトリ『ある正直者の人生』。ギトリの出番は前口上とモノローグ、ギトリ夫人のラナ・マルコーニは1シーンだけ。主演のミシェル・シモンはギトリからこのように頼まれる。「節約のために一人二役を引き受けてくれないか」ミシェル・シモンは二つ返…