2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

カール・ドライヤー『奇跡』@早稲田松竹

カール・ドライヤー『奇跡』@早稲田松竹。父親同士のやり取りにて、娘の側の親が席の反対側へ移った時に、相手を呪う態度に変化する。医師が去ってから窓の外を父子が見る時に、窓の外側から彼らの顔を撮るよう切り返す時、両者の位置が入れ替わる。こうした…

眠りの浅い日が続く。早稲田松竹にてカール・ドライヤー『怒りの日』と『ゲアトルーズ』を見る。『ゲアトルーズ』(だけでもないが)を見ると、はたして自分は必要以上に身構えてしまっているのか、集中しようとしているのに大事なところをわかっていないま…

『サンガイレ、17才の夏。』(アランテ・カヴァイテ)

hj3s-kzu.hatenablog.com こちらの2015年ベストにて(新人監督賞として)名前を知ったアランテ・カヴァイテ『The Summer of Sangaile』(劇中のタイトルはSangailė)がようやく日本語字幕付きで配信されたから見た。 www.jaiho.jp Sangailė(サンガイレ)は…

自宅にて青山真治監督『EM エンバーミング』を見直す。これも「好きな青山作品は?」と聞かれて名前を出した覚えがあるが、やはり全然覚えていなかった。南北戦争に始まって、ジョン・フォードから統一教会(「結婚」という主題も絡んでくる)まで、これで青…

『ナナメのろうか』(監督:深田隆之)

www.youtube.com natalie.mu www.itchan-and-satchan.com umi-theater.jimdofree.com 『ナナメのろうか』を見ながら、筋を、構成を、台詞の意味を、何かを追おうというのを避けたかった。タイトルも、なぜ(前作に続き)女性二人なのかも、モノクロなのかも…

自宅にて青山真治監督『シェイディー・グローヴ』を見直す。なんとなく「青山作品で一番好きなのは?」と聞かれて本作を答えた思い出もあるけれど、容易に好きと言ってはいけない暗さというか、掴みどころのなさというか……主人公が宣伝会社に辞表を出す、映…

ラドゥ・ジューデ『若き詩人の心の傷跡』。ルーマニアのユダヤ人作家Max Blecherのサナトリウムでの日々についての映画。最後の墓を見て、彼の生没年が山中貞雄と同年と気づく。やはり本作でも戦争・ファシズム・ユダヤ人差別・論争とも喧騒ともつかないやり…