2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『胴鳴り』(楫野裕)

序盤からクーペを運転し続ける主役の古屋隆太に『月の砂漠』の三上博史を重ねたくなる。家族は捨て、テレビドラマの売れっ子脚本家という地位はありながら、そこに満たされているわけでもない。男は娘との再会をきっかけに新潟と東京を行き来する。パンフレ…

『違国日記』(瀬田なつき)

瀬田なつき『違国日記』を見る。原作未読。最初の交通事故は位置関係がよくわからなかった。葬式の演出は凝っているが、後々の主演二人の関係を考えると、もっと正攻法で見たかった。ドラマ上の距離感が掴み取りにくく始まった印象がある。脚本に書けてない…

『ロストケア』(前田哲)

gojoさんの記事を読んで以来、いつか見なくてはと思っていた『ロストケア』(前田哲)をようやく自宅で見る。暗く目を背けてはいけない題材だからか、余計に意外と普通な(というか同じ監督の『老後の資金が足りません!』とあまり変わらない)出来で、そん…

『だれかが歌っている』『左手に気をつけろ』

井口奈己監督二作を見る。長らく見返していない『犬猫』8ミリ版は8ミリとか自主映画とか関係なく立派な映画だったと思う。『だれかが歌っている』も始まってすぐは「なんだ、悪くないんじゃないか」と安心したが、場面が変わるごとに、『勝手に逃げろ/人生』…

日記 ベルイマンとユスターシュを見ただけ。

新作を見に行かないまま、エイゼンシッツの講義にも行けず、周りから映画を見る目も才能も努力もないとなじられるだけの日々が続く。周りの若手や同年代が羨ましくて仕方ない。努力をせずに皆から羨望の眼差しを向けられたい。それができれば悔いはない(凄…

上映会『私ももうじき四十歳』報告@キノコヤ

https://peatix.com/event/3964776/view?k=b736b6300d0d6d0c284a6b918708a426e950d5bf こちらに書くのを忘れていて上映会終了してしまいましたが、ご来場いただいた方、気にかけていただいた方、皆様ありがとうございました。 記録として上映した拙作と、そ…

『マッドマックス:フュリオサ』(ジョージ・ミラー)

ジョージ・ミラー『マッドマックス:フュリオサ』を見る。前作のほうが、より題材的に攻めてたかもしれない。だが今作のほうが、さらに落ち着いて構えて見え、140分以上の上映時間集中して見れた。冒頭の赤い果実をもぎとる光景からして、もう「マッドマック…

『マグダレーナ・ヴィラガ』(ニナ・メンケス)

ニナ・メンケス特集最終日に『マグダレーナ・ヴィラガ』を見る。以前国アカにて『クイーン・オブ・ダイヤモンド』見た際は大して何か書くことに躊躇しなかったが、もうすっかり「自分みたいな男が何か感想など言えるのか」なんてポーズを取りたくなってしま…

『関心領域』(ジョナサン・グレイザー)『エルサレムの家』(アモス・ギタイ)

ジョナサン・グレイザー『関心領域』を見る。あのセット内からスタッフ退出した状態という撮り方のせいかインスタレーションでもいけそう(だから駄目とは言わない)だが、監督のいう「ファミリードラマ」として見ると全然そうは思わない。国アカで見た「返…