2025-01-01から1年間の記事一覧

『劇場版 孤独のグルメ』(松重豊)

序盤から監督による自作自演のコメディとして楽しんだ。よく考えたら現代日本映画(のメジャー作品)では北野武さえ成立できてないジャンルかもしれない。それを芸人やコメディアンではない(しかしお茶の間に浸透してる)松重豊ならやれるというのは、日本…

『夏の庭』『東京上空いらっしゃいませ』

相米慎二『夏の庭』4K。小学生の頃に相米の映画と知らないでテレビでほんの断片だけ見たのが最初で、次は原作小説を読書感想文のために読んだせいか、改めて見直すと理想的な縮小再生産というと悪口のようだが、相米という名前や特徴は忘れて向き合いたくな…

『陪審員2番』

クリント・イーストウッド『陪審員2番』を見る。一時期の実話路線から『クライ・マッチョ』を挟んで、今度は現実にありえるか危ういくらいの(しかし出世欲につかれた検事など日本も他人事じゃないが)ラインに踏み込む。真犯人が陪審員の中にいて、さらに陪…

『愛しき人よ!』『灰色の自動車』

国立映画アーカイブのメキシコ映画特集にて『愛しき人よ!』(ヒルベルト・マルティネス・ソラレス)。ティンタン主演作。メキシコ版エノケンみたいな話を聞くが、そこはやはりエディ・カンターか? 勘太の映画は全然見れてないが……。個人的には今年入って一…

フリオ・ブラチョ『次の夜明けに』

国立映画アーカイブにてフリオ・ブラチョ『次の夜明けに』。フィゲロア撮影の見事なノワール。もしくはスタンバーグ×ディートリッヒの傑作群に匹敵する感動。というかアンドレア・パルマの佇まいは明らかにディートリッヒを意識していてるのだろうが。エリセ…

『エナモラーダ』『女隊長アングスティアス』

www.nfaj.go.jp エミリオ・フェルナンデス『エナモラーダ』(46年)。国アカの年明け一発目はハズレなし。撮影は端正な画面だけでなく、アベマリアの響く中、初めてペドロ・アルメンダリスが教会を訪れた時の、天井まで見上げていく動きの大胆さにも驚く。じ…

『どうすればよかったか?』(藤野知明)

話題の『どうすればよかったか?』を見る。今となってはセルフドキュメンタリー的な作品を見るなんて苦痛でしかないだろうし、それが第三者の容易に立ち入れない領域の出来事と言うなら、野次馬的に見に行ってしまう自分はどうなんだとか思ってしまう。「日…

2024年の映画館で見た新作・旧作ベスト

2024年の映画館で見た新作ベスト。順不同。 瞳をとじて(ビクトル・エリセ)ヒットマン(リチャード・リンクレイター)フェラーリ(マイケル・マン)ザ・バイクライダーズ(ジェフ・ニコルズ)英国人の手紙(セルジオ・グラシアーノ)孤独の午後(アルベルト…