2017-11-27から1日間の記事一覧

中川信夫『影法師捕物帖』、西部劇、ソ連映画、ドイツ表現主義をワンカットごとに横断し、アラカンが田沼意次に刀を突き付けては何事もなかったかのように次の場面へ移って、また田沼に説教を繰り返し、どっから屋敷へ入ってきたかわからない相方がインして…

北島敬三のポートレイトに引き込まれた。撮られたのがどんな人なのかどころか、撮ったのかが誰なのか、いつ撮られたのか、などなど様々な情報が一掃されて背景が見えなくなって初めて、わずか3,4点の写真が強度を発揮する。そして3、4枚のショットの間を隔て…

レニー・ハーリンの『スキップ・トレース』、かなり良かった。初っ端の相棒が殺されるまでは「あ、これ乗り物酔いみたくなるやつだ……」と嫌な予感までしたけれど、すぐ後のドミノ式に倒れる水上家屋といい(ブラジャーが良い)、ボウラー兼ターミネーター率…

『新感染』見た。やっぱり列車とか移動の限定された細道でのアクションとかは盛り上がる。しかし『カーズ』三作目とか『トイ・ストーリー』とか見て思った、別に良く出来た映画(伏線を回収してくれるとか、「道徳的」というか良き人間像を示してくれるとか…

ジャック・ターナー『ベルリン特急』が日本にはVHSしかないと思っていたら、いつの間にかDVDが出ていた(たいした画質ではないが問題なく見れたと思う)。感動する。たびたび出来事に対し四、五人の人物が数秒の間に立ったり座ったりしながら各々の態度を表…

ツイ・ハーク『西遊記2』。初っ端から見世物小屋そのものとしか言いようのない悪夢のような世界(ホドロフスキーか石井輝男かという領域)がCGの有無関係なく繰り広げられる。しかし見世物小屋商売をやっている妖怪三人組と三蔵と小人とのふざけているという…

小田香『鉱』パンフレット、監督自身の言葉はもちろんだとして、小森はるか監督の文章が素晴らしかった。特に何か映画の理解の深まる情報が載っているわけではなく、むしろ映画の情報のなさを肯定しながら、映画との距離を一気に縮めてくれる。映画の撮れた…

ウリ・ロメル『Prozzie』。少女は母親が男を連れ込むのを鍵穴越しに見た。そして男が逆上し母を叩き死に追いやるのを見た。『ハロウィン』と同様の形式を辿るのかと思う。たしかに途中までは成長した彼女がサングラスとブーツによって人格を変え、誘い込んだ…

豊田四郎は昨年『若い人』を見て(新文芸坐見逃したから悔しくてネットで見てしまったが、いま調べたらもう消えていた)、文字通り「若い」映画なので、ここから豊田四郎も始まったんだと感動した。カメラのアングルとか、音がなければわからない映画を撮っ…

キアロスタミ『24フレーム』、24コマの1秒を2時間近くに引き伸ばした映画、というより4分30秒近い1フレームたち。その意味で『ホーリーモーターズ』と近い観点に立っている気がする。自動車の映画を撮り続けた作家にふさわしいのかもしれない。主に動物たち…