中川信夫『影法師捕物帖』、西部劇、ソ連映画ドイツ表現主義をワンカットごとに横断し、アラカン田沼意次に刀を突き付けては何事もなかったかのように次の場面へ移って、また田沼に説教を繰り返し、どっから屋敷へ入ってきたかわからない相方がインしてくるあたり、完全にコメディ映画と化しているけれど、たびたび決着の映されない立ち回りの繰り返しの果てに伊藤大輔へのリスペクトが炸裂するクライマックス、アラカンはきっとまた観客の見ぬ間に切り抜けてくれるに違いない。