今更だが2020年のベストをまとめておく。
『デッド・ドント・ダイ』
『空に住む』
『一度も撃ってません』
『ドミノ 復讐の咆哮』
『フォードVSフェラーリ』
『リチャード・ジュエル』
『魔女がいっぱい』
『ヴィタリナ』
『シチリアーノ 裏切りの美学』
『マダム・ハイド』
次点
『マンク』
『マザーレス・ブルックリン』
『幸せへのまわり道』
『風の電話』
『ビルとテッドの時空旅行』
『空に聞く』
『デッド~』は冗談みたいな映画扱いしている人もいるが(『ビルとテッドの時空旅行』と同じく、どれほど気合入れた映画か謎だが)、もう映画館の闇に浮かぶ死者たちの顔を真剣に見る機会は滅多にない。緊急事態宣言前は『デッド・ドント・ダイ』を見て、緊急事態宣言明けは再見した。
『一度も撃ってません』もそんな映画だったかもしれない。冒頭から石橋蓮司がマスクを手放せない。たぶん2019年の冬からコロナは続いていて、いまだに2020年を迎えてないまま、もう20年代なんか一生訪れないで終わるという気分になる。冬は開けないまま、あとは朝帰りを繰り返すだけ。偽の殺し屋ごっこが終わって今夜は生き延びたが、密な酒場で全員感染してお陀仏になる未来が見える。宍戸錠の死んだ年に相応しい。
『リチャード・ジュエル』を見て、とにかく建前にウンザリしていたんだと思った。偽善ならぬ善良さを求めた結果の映画。『目撃』を見直して、水道修理工の登場をすっかり忘れていた。彼からエド・ハリスへの返答が『リチャード・ジュエル』で見られる。
ソフィア・コッポラと『リベルテ』、ジャン・ピエール・モッキーをボヤボヤしてて見逃したのが悔しい。エリア・スレイマンとホン・サンスはまた来年。
『繻子の靴』を見れず、ジャン・ピエール・モッキー、『支那の夜』など見逃したが2020年の旧作を映画館で見たものだけ旧作を10本振り返る。各特集一本だけにした。60、70年代に偏ったのと日本映画が多くなったのは、いろいろ見逃したのが原因と思ってほしいです。
『ヘルズ・ヒンジス』(16年 ウィリアム・S・ハート)
『Not Wanted』(49年 エルマー・クリフトン、アイダ・ルピノ)
『男の嵐』(63年 中川信夫)
『モノクロームの画家 イヴ・クライン』(64年 野田真吉)
『藍より青く』(73年 森﨑東)
『先生のつうしんぼ』(77年 武田一成)
『ザ・ビジター』(79年 マイケル・J・パラダイス)
『風の谷のナウシカ』(84年 宮崎駿)
『消えゆくものたちの年代記』(96年 エリア・スレイマン)
『オールド・ジョイ』(06年 ケリー・ライカート)
何人かとは今年一秒も会えないでしょうが、去年一秒も会えなかった人たちにも、よいお年を。別にどこにも行きませんが(もう会社にも行きたくありません)、また会う日までお元気で。