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ジョン・スチュワート『スイング・ステート』まあまあ? 「まあまあ」という言葉が相応しい調子で延々良いのかどうかはっきりしないまま続くモヤモヤした映画。クリス・クーパーが思ったよりは渋くもなく、スティーブ・カレルもこれでいいのかよくわからないまま、差別意識についても映画からどれほど察するべきか掴みどころも難しく、最後もどんでん返しの種明かしみたいなものだからオチをつけなきゃ映画にならんというヤツかもしれないけど、それも含めてどういう調子で付き合えばいいのか最後まで困る映画。それでも下手したら腹が立ちそうな終わりも受け入れられたから、これはこれで面白いか。『ザ・スーサイド・スクワッド』とはまた別の屈折した感じ。

ロッセリーニ『ローマで夜だった』(60年)日本版VHSは見れないまま結局ネットで見る。『夜よ、こんにちは』の「夜」はここから来たと聞いた覚えあるが、個人の精神と集団の相容れなさというか(発作に近い身振りをイタリア特有の感情の爆発?からずらしていくような)ロッセリー二→ベロッキオの流れは頭ではわかった気になっていたが、特に音響面(と不条理)においてベロッキオが参照していたのか。人物間の言語の違いも無字幕で鑑賞することで時々その隔たりの中に入り込めたような気にさせる。アフレコ主流のイタリア映画の中で挑戦的な試みのようで、隠れ家から聞こえる風の音、沸騰する音など、これを越えるには同時録音へ徹底的に向かうしかないかもしれない。一度見始めたら止まらないほど続くのに、いきなり格子の中から覗く顔のアップが入るカットバックなど、覗きが介在する時は繋がらなくてもいいと言わんばかりの危うさも面白い。

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