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『サマーフィルムにのって』を見る。
たぶんどうでもいい映画だろうと予感していたが、これを2020年のベストに入れている人もいたので、自分とその人との好みの違いをはっきりさせるために見に行った。そんなつまらない対抗意識というか、単なる嫉妬は捨てて生きるべきなんだろう。何よりこの映画自体が同じようなことを伝えようとしていて、本当に癪に障った。
だいたい『桐島、部活やめるってよ』と同じような感じの映画で、はっきりいってどっちもどうでもいい。違うとすれば主役が女子になって、映画部内の内ゲバになってるとか、別に運動部とは対立していないとかだが、正直そんなことはどうでもよかった。あっちが8ミリなら、こっちはいきなり携帯で映画を作る。どっちにせよ、リアリティはない。別に撮影現場には行ったことないから実はこんな感じなのかもしれないが、それでもあんな撮影で、あんな映像ができるわけがないと思う(たぶん)。まあ、そんなの誰だってわかるんだろうし、でもそれをロマンと思って見る余裕が自分にはない。あとライバルの(ZINEで特集されたらしい)女子高生監督とは、和解する展開とはいえ(ご丁寧にちゃんと映画の勉強をしているらしいところを見せるが)ほとんど悪意しか感じない。大事なところで男女二人走り出すのは、一応山戸結希へのオマージュなんだろうか(そんな余計なことを考えるくらい見ている自分が恥ずかしい。本当はもう死んでいる人たちの作った映画だけ見ていた方がいいのかもしれない。)。まあ、そんな話を陰湿な僕が言う資格もないだろう。
とにかくリアリティは無視。普段は映画を見てリアリティがどうの言ってないのに、こうしてネットでは陰湿にリアリティがどうの書く自分は本当につまらない人間だと思う。しかし先日の『べいびーワルキューレ』にしろ、マンガとしか言いようのない飛躍。編集の場になって酷い映像を見てうんざりするものだと思っていたが、それは僕みたいな何の才能も飛躍もない人間だけの話だったらしい。そんな書き方はマンガを馬鹿にしてるんだろうが、誰かの書いた画で読めば面白かったり暇つぶしにもなったりするが、人間がやってるのを見ると無性に腹が立ってくるというか、恥ずかしくて見てられない。何度も眠気ではなく目を閉じた。
最後は『桐島』のゾンビみたいなノリで、あれがフィルムがどうの言うのぶっ飛ばして妄想の話になるなら、こっちは上映会のはずが演劇になる(脚本がロロの人、といっても見たことないからわかりませんが、なんとなく女子高生が主役の話を書きそうな印象をもっていた)。伊藤万理華の姿はいいけど、どうせみんなこういう汗かいているのを見て感動したいんだろ!とか、すっかり陰湿な人間としての感想しか出てこない。祷キララはなぜかメアリー・エリザベス・ウィンステッドみたいに屈強な大人になりそうに見えた。