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そうは言っても真に清順の言葉を形にしているのは清順の映画だと『暗黒の旅券』で思い知った。まあ、勘違い、思い込みばかりで無茶苦茶書くくらいしか自分には脳がないので、清順の発言のほぼほぼ何一つ瀬田なつきの映画には当てはまらないとわかって書いているから……。そして、やはりオカマの映画である。「『けんかえれじい』を語る」(『夢と祈祷師』)にて語られる主人公と脇役との関係は、かなり本人の言葉と映画そのものが一致しているように思える。『暗黒の旅券』は主人公とされる人物が事件そのものからことごとく置いていかれ、影だけが、声だけが、ずれたように残っていく。頻繁に繰り返されるリアルな時間経過を無視したようなオーバーラップの使い方が、ますますその感覚を助長する。麻薬中毒者の女性の声が凄まじい。彼以外の人物が殺し合う終盤。そしてオカマと姉の物語。