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モフセン・マフマルバフ三本をアテネフランセにて。
『パンと植木鉢』は改めて傑作だと思う。カップルの犯罪者(フリッツ・ラングからケリー・ライカートまでアメリカ映画的といえる)を連想させる少年少女(もちろん彼女が黒のヒジャブを身につけていることがまた効果的)に対して大人たちのカメラが煽るという、ある意味タイムスリップしてきたSF的というか、または後の世代に同様の対立を繰り返させるという構図の現実に近いグロテスクさとか。
『サラーム・シネマ』は終盤になるほどドSっぷりが凄くて、やや引く。アサヤンとかマネーの寅とか見てないが、その辺のヤラセ云々を吹っ飛ばすくらいは面白い。
『ワンス・アポン・ア・タイム、シネマ』は92年というのが早いような、これも傑作のようで、やや疲れる。『独裁者と小さな孫』のようなことはもう既にやってたんだなと不勉強なのでようやく知る。あと三本とも鏡が用いられているけれど、それが画面内の情報を増やしすぎているような、画面外であってもいいんじゃないかという気がした。
講演も含めて総じて何だかいつもより疲れた。