9日
今日も休みだったが映画館には行かず。
検索していたらラオール・ウォルシュ『GLORY ALLEY』見つける。レスリー・キャロンが『巴里のアメリカ人』の翌年に予想外のセクシーな役をやっている……というゲスな欲望が当然のように清々しくどうでもよくなる。ラルフ・ミーカー演じるボクサー、ソックス・バルバロッサがリングに返り咲くまでの数年間。序盤は傷のトラウマ、アル中描写もあるけれど、たとえば清水宏の『簪』などで見たような、傷が癒えるまでの寄り道の時期、酒場を舞台にバカンス映画的な時間が流れているといったら、さすがに間違いなんだろうけれど、見えない眼が回復し、電話の修理業者がやってきて、終わらないかもしれない休みがようやく明けたようで、主要人物の集ったラストカットを見ると、この場所はまだまだ続くのだろう。その曖昧さは近作だと黒川幸則監督『ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ』に似ているかもしれない。列車を見送るレスリー・キャロンはやはり可憐な存在だった。