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三隅研次『無宿者』の余計な説明を省いたようで、視界を覆う霧や、顔に寄ると抽象性を増す空間、情報以前に耳を横切っていく言葉の数々とともに迷宮へ誘われていく感覚はモンテ・ヘルマン『銃撃』やジョン・ブアマン『ポイント・ブランク』を初めて見た時と同じ、ベルイマンやレネ的な作家の映画を移植してきたというだけでは言い表せない異様な佇まいの傑作だった。市川雷蔵が滝患一まで駆け出してから、その勢いのまま安部徹が斬られて、蜂起へと雪崩れ込む。