山形ドキュの東京上映にてルイス・ロペスカラスコ『発見の年』200分2分割画面どん詰まりの酒場での老若男女の語りが続き、そのドラッグをめぐる話題も多く『チェルシー・ガールズ』かと驚き、これならいける!と思うが(実際参照したらしい)下手したら美術館のインスタレーションみたく最初から最後まで通して見るものでもなかったりして……ともよぎるが杞憂だった。話題は組合活動への不信をめぐる諍いから、時をフランコ独裁政権の終焉へ巻き戻す。このあたりまで実はフッテージ映画というか、いつの時か定かではないが、いま現在ではないかつてあった出来事というか…いや、それは撮られた時点で何らかの過去にはなるのだろうが、妙な距離、または再演されたものを見ているような奇妙さがあった。グローバル化による経済危機、92年スペインカルタヘナ自治州議会炎上事件そのものへ、そして分割画面が最終的に見事な切り返しとも溝ともとれるようになる。前半にあった酒場の人々の生々しくも距離のある感覚が、その顔が、不思議と一気に(その抵抗運動の当事者たちと共に)現在というものとして迫ってくる。この日本こそ確実にある分断を埋めるには、かつてあった団結を意識するためにも必見。

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