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マット・リーヴスの『バットマン』。長いと知ってたから覚悟して見た。たしかに前評判(キネ旬の星取表)通り、あんまアガんない(さすがにカーチェイスはよかったが)……やっぱ長いから? スピルバーグじゃないが謎掛け・自白、録画・再生と二回繰り返すことがかなり多い。双子が何度も殴られる。話題は孤児と再開発。ジョン・タトゥーロで終わりかと思いきや、リドラーも最後は数で勝負してくるし……。でも悪いとは思わない。半分の時間になっていたら傑作かもしれないが(ありきたりな感想ですが)なにがそんな長い映画にさせたのか。しかし浸水描写のある映画を311(しかも公開初日)に見るとは思わなかったが、いよいよ盛り上がるのも、そこからかなあ。ジェフリー・ライトとのバディに何の疑いも挟まれないのが良いような微妙なような。

ブランドン・クローネンバーグ『ポゼッサー』、良いか悪いか別にして、3カット目で卒倒しそうになる。それくらい僕は痛いのは苦手。自分の手指が思い通り曲げられるか、何度も見ながら確かめた。それくらい僕は共感しやすい。親父の真似と勘繰る隙きを与えぬ間にぶっ刺す、撃ち抜く、血が吹く、溶ける、セックスする、潰す、被る、変身する、明滅する、逆再生する。ひたすら嫌だ嫌だ思いながら、なぜかうんざりせずに見れる。容赦ない展開の後は、一仕事終えたかのように単純に終わらせるあたり、親父と変わらぬ着地をしてる。親父が唯一無二の映画作家であることに変わりないが、これは凄いのか、ふつうに面白いのか、見ておきながらよくわからない。