ジェイソン・ライトマンゴーストバスターズ アフターライフ』。そりゃ感動するよね、と若干引いてしまうが……。掃き溜めっぽいニューヨークとは打って変わって、だだっ広い景色を突っ走るゴーストと車を堪能。自由の女神に続く巨大キャラが出てこないのは寂しい。

知人と偶然一緒に見た、岩波ホールグルジア映画祭のヌツァ・ゴゴベリゼ監督『ブバ』『ウジュムリ』どちらも面白かった。『ブバ』も『ウジュムリ』も自然の猛威が人々の営みを容赦なく飲み込む様が圧巻。ラナ・ゴゴベリゼの映画も『金の糸』はやはり見ないととなるが、孫娘のサロメ・アレクシ『幸福』はなんかピンとこないものだが、そういうふうに話したら「昔の映画ばかり見てると、昔の映画のほうがいいとなってしまうから」と言われてしまう。

別に新作を見てないつもりはないのだが悔しくて、サイモン・キンバーグ『355』特に期待していなかったが『アトミックブロンド』『エージェント・マロリー』どころか予想外に映画青年の作りそうな展開で驚く。世界を股にかけて女5人が裏切りと陰謀渦巻く(ほどでもない)中、あるデバイスをめぐって奪い合いから共闘へ。ここまでくると漠然と『ラ・フロール』とかアメリカ以外でやるものと思っていた。そういう映画青年のやりそうなことを段々と貫禄つけてきたのがデ・パルマなのかなとか思いながら見た(デ・パルマみたいな映画という意味ではない)。ジェシカ・チャステインダイアン・クルーガーの追いかけっこがアツい。サイレンサーを使うのもいい。『アス』のルピタ・ニョンゴはやはり強かった。結構面白いと評判になるんじゃないかと思う……と持って回った言い回しをして若干距離を置きたくなる映画(嫌いではない)。

キネマ旬報の星取で選者二人は★1なのに筒井武文氏だけ★5という、筒井武文のマイノリティリポートと言わんばかりの映画があったのだが(知人とたまに話題にしてた)『天使の処刑人 バイオレット&デイジー』と『ザ・バッグマン 闇を運ぶ男』なのだが、スルーされそうなアクション映画の装いをした「不思議の国のアリス」とでも言うような、それがリヴェットのやり方を継ぐ映画なのか、筒井武文氏の趣味全開(これを好きなのは俺くらい的に予想しての★5)ってことなのかはさておき、『355』を見ながら思い出した。でも筒井武文氏的には★3くらいかなあとか思いながら。