レニー・ハーリン『ザ・ミスフィッツ』また胡散臭い映画を! ナレーションと入れ替わりにピアーズ・ブロスナンが出てくるあたり面白かった。レニー・ハーリンの話の進め方(主役を迷わせたり焦点を行ったり来たりしたり)は何だかんだ捻りがある。そして全然納得できない解決(いつ金塊を溶かしたのか)。どうせ『ワイルドスピード』とか撮らせてもらえないだろうけど、もうちょいマトモそうな企画の(地味な)映画を見たいが。ティム・ロスもいいけど、娘も綺麗だった。

 

インフェルノ』1/30までの配信。ダンテ『神曲』地獄篇が原作らしいが、中川・神代・石井らの名前を出すまでもなく映画と地獄巡りは古くから馴染みの題材なのか、序盤の寅(ダンテライオン?まさか!)のチープさには笑ってしまうが、直後の天使の斜め飛び(数年前に話題になった『フォーガットン』のアブダクションっぽい)とヴェルギリウスが画面から消えるワンカットから驚異の連続。フィックスのフルサイズかロングの画面がほとんどの中、今は失われたも同然の映画の豊かさが記録されている。中川信夫版もおそらくこの映画の残酷さと無意識に繋がっているのだろうし、『スパイダーマン』の糸だって、魔鬼たちを吊る糸がなければ存在しなかったかもしれない。
必見。

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ペネベイカー『ジギー・スターダスト』を見て、25歳の(信じられないけど40歳とか言われたらそれはそれで嘘だろとなる)デヴィッド・ボウイに参ってしまい、そのあとに見た『スパイダーマン』も楽しい映画ではあったけど「自分はいい年をして何をやってるんだ」という考えが頭から離れなかったし、『三度目の正直』も悪い映画ではないのに申し訳ないくらい頭に何も入ってこなくなってしまった。
もちろんボウイだけでなくミック・ロンソン(とはいえ音楽に詳しくないので、どれほど偉大かは知らないんですが……)も、『スペース・オデュッセイ』の時にボウイ以上にインパクトを残す、頬を流れる涙の止まらない女性はじめ最高のオーディエンスの面々あっての名作なんだろう。お互いを輝かせ合っているといえばいいのか。さらに字幕:寺尾次郎のおかげで、ボウイのパフォーマンスをより近くから見れた気がする。
『ドント・ルック・バック』を途中までコメンタリーつきで見直したら、ボブ・ディランの歌が想定より長かったせいでフィルムが切れてしまったけれど、おかげで編集の段階でライブが中心になる構成を免れたというような話がでてきた(『ジギー・スターダスト』はほぼほぼライブだけでも、そこにボウイそのものを見たような感じはあるが)。
デペッシュ・モード 101』も見た。デペッシュ・モードのデの字もわかってないが、こちらもテープチェンジの合間に撮り逃しちゃったねえという話が出てた。偏見かもしれないがボウイやボブ・ディランよりも魅力があるんだかよくわからないおかげか、余計映画の面白さも増していると思いつつ、酔っぱらってタクシーの運ちゃんと喧嘩になった話とか、人の魅力とか面白さとかはそれだけじゃないか。男女どちらも腰の振りっぷりが凄い。ラストのオーディエンスの手の振りと、ロングショットのメンバーの切り返しに感動。

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