日記

イータン・コーエン監督『俺たちホームズ&ワトソン』を見る。
アフガン帰還兵のワトソンが飛び降り自殺に選んだ場所はホームズの庭。迷惑だから何もここで飛び降りないでくれというジェスチャーはワトソンに愛として届く。ワトソンはホームズに尽くすことを誓う(結局足を滑らせ転落、ホームズの愛でる巨大瓜はクッションとなり破裂)。
タイムトラベルはしないが『メン・イン・ブラック3』の「歴史が変わる」ネタは続く。迷走しているようで一応は真相に近づいていくのだが不安は消えない。爆破一分前になってから互いの脳内に入り込む展開に衝撃。タイタニック登場からのオチの付け方は優しくて心温まる(近年のタランティーノ風といっていいのか?)。ノーラン風のラストなど結構笑った。
 
トム・エバーハードの『迷探偵シャーロック・ホームズ』をu-nextで見る。
マイケル・ケインの木偶の坊ホームズがトランプに見えなくもない。だから何だって話だが。そこまで誉める映画じゃないとしても、やはりトム・エバーハードの映画だから惹かれるところある。突っ立って大した動きのない人物と切り返すアクション。微妙にミニマルな感じ。ゾンビ映画の作家らしくもあるというか、ちょっと北野武と近いセンスもありそうだが、キレがあるわけでもなく重ったるいというか。たいして笑えるわけでもないが、非常にダウナーな感覚。
やはり『ナイト・オブ・ザ・コメット』の監督らしく、空元気というか、笑わそうとしても、たいして明るくない。駄目ホームズは駄目役者キンケイド時代に「評論家は私が『死の影』を演じたことで悲劇が喜劇となったというが、それは素晴らしいことではないかと誇りに思う。」というが、これはある意味『ナイト~』に近いのかもしれない。景気よさげというか何事もないかのように語られる終末。まあ、押井守の『うる星やつら』みたいなものと言われてしまったらそれまでだが。