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『W3(ワンダースリー)』(手塚治虫)と『土星の環』(W.G.ゼ―バルト)を読み終わる。

土星の環』のイメージ一つ一つが連鎖していく、見事な切り返しの数々は、映画ファンの友人知人とも共有したい。(図書館に返却済みのため引用できず。)コンラッドの半生からアイルランド独立戦争の闘士へと結びつく章は特に熱くなる。鰊漁の記録映画の黒の深さに対して、養蚕業のフィルムの眩い輝きへと切り返され、ナチスによる「殺戮」という言葉がそこに重ねられる。そして死屍累々の旅にふさわしい黒のビロード。