中川信夫特集の合間に新宿AEQUITASデモ参加。ほぼ後半だけ。

 

沼田曜一は本当に中川信夫から愛されているなあと、改めて。

『女死刑囚の脱獄』はヒロインが脱獄して、元の婚約者と、沼田曜一演じる刑事が動き出してから引き込まれる。刑事と婚約者が追いかけっこしてからの、追ってる側がなぜか詫びるみたいなユーモアにはいつも不意打ちを喰らう。警察手帳の使い方もしゃれている。時計の針は単にタイムリミットを告げる装置以上に『地獄』のクライマックスとほとんど同じに見えた(回転する装置はよく出てくるけれど)。ヒロイン、婚約者、刑事の三者がそれぞれ別々の空間で待つほかなく、さらに自動車という別の空間に乗った妹の割って入るあたり、特に。

『妖艶毒婦伝 お勝兇状旅』がニュープリントというのもあってか、この日一番感動する。これまたかつての婚約者(多いな、この設定)がよかった。沢淑子(仁田順好)とのやり取りを挟んで、そこへ沼田曜一が押し入ってからの斬り合い、別室でまぐわっていた男女も入って、常に二つのことが同時進行しているアクション、熱くなる。お勝の衣装が変わってから口癖も何も変貌するあたりに『八百万石に挑む男』の、あっという間に天一坊が衣裳一式揃えて登場するところに近いものを感じた。助っ人の梅宮辰夫が白い馬に乗ってきたり、討ち入り前の歌も唐突で、お約束事さえ不意打ちになる。

残念ながら『右門捕物帖 緋鹿の子異変』はかなり寝てしまう。ラストカットを見る限り、これも素晴らしかったかと。