バイト。

今日もアラン・ドワンで『悪の対決』。今回も字幕なく話はよくわかっていないところもあるけれど、やはり女たち、姉妹の映画。何らかの陰謀を企てては殺しを計画したりしているらしい男たちがいて、デカい男と小さな男が並んでいたり、決して地味な面々ではないけれど、姉妹と比べて輪郭がハッキリしない気がする。男女の差が光の加減でも際立っているのが魅力。影に包まれた男に対して、妹役のアーレン・ダールの手足が椅子の影から、くっきりと出てくるエロさ。ジョン・ペインが彼女を屋敷に連れ込むくだりでの、ライター、ボウガン、投げられたコルセット?をバシッと掴む動きといい、思ったより出番は少ない気のする妹の存在が目に焼き付くことばかり。男に対し何一つ負けていないし、誘う魅力とも違う危険なパワー。格闘でいえば、いきなりチョップして驚く。今更ながらこの三日間見た作品、どれも階段の使い方が際立っていて、特に姉妹の家の、部屋を横切る階段の長さや、妹の家出に気づくところのスロープ越しのカットなど、印象に残る。冒頭の姉妹とジョン・ペインのタイトルと、ラストの姉妹の部屋、ジョン・ペインが男たちと対峙する階段と広間、外のパトカー、三つの視点の使い分け。銃声が響くときにジョン・ペインたちをオフにしたかと思いきや、わざと画面外の時間や動きなどなく、映っていない時の彼らは停まっているかのように思ってしまうところもあって、そこがボウガンと銃で撃たれても生き延びていたボスと、三回は撃たれるジョン・ペインとともに奇妙だけど引き込まれる。ラストの引いていくカットを、あえて途中で切るように、階段上下の姉妹たちの切り返しを挟んでいた。