最近見た映画の感想。

 

グレタ・ガーウィグの『若草物語』。前作より、せわしない印象。振り落とされ乗れず。再見すると得るものあるかもしれないが。スピルバーグの助言があったというニュースを読んだ。フィルムの選択が一番大きいらしく、蝋燭はじめ火が要所要所登場することに関わっているんじゃないかという話もあったが、前作より更にせわしない原因なんだろうか。中心に人間ではなく文書があるという構造がはっきりすれば、さらにスピルバーグらしいけれど、そこまで振り切ったかはわからない。

 

ティーブン・ギャガン『ドクター・ドリトル』またまたせわしない映画。「悪くない」と言いたくて見に行ったようなもの。『若草物語』より面白いとかいうのはさすがに逆張りって感じが(というか、こっちは比較的キャリアある作家だから)。『ピーターラビット』ほど笑わず『パディントン2』ほどハラハラもせず。通りすがりの蝿まで喋るからとアルジェントみたいに過剰になるわけはなく。ただ飽きないというのがいい。
少年が「動物としゃべってる先生!」と感動するガラス越しのオペ室ではセロリがどうのくだらない聞き違いコントをしているのとか不覚にも笑った。
アントニオ・バンデラスギレルモ・ナヴァロの組み合わせがいいのかもしれないが、別に見てる間はありがたみは感じず。

 

ケイシー・アフレック監督『ライト・オブ・マイ・ライフ』。デヴィッド・ロウリーとは違う映画。時間も飛ばないし2時間びっちり。内容的にはジョー・ダンテもやったジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの作品を連想する。さすがに宇宙人は出ないが。ある意味、より行くあてのない『ゾンビランド』というか、もしかしたらロメロが食いついた話かもしれないが。うまく言えないが好感もって見た。何よりSFやホラーのようで、結局なにが我々の現在と違うのか、非常に曖昧なのがいい。何かタガの外れてしまった世界。