『ア・ゴースト・ストーリー』

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公開されてからすぐに見た。時間が経って、好きか嫌いかさておき、やっぱり驚きは続いている。それでいて「とんでも」という形容はふさわしくない。

まず二人だけの親密さを納めた小品という予想を裏切る。二人は同じ場所にいたはずが引き離される。同じ空間にいながら、同じ空間を生きていない。相手を見えない、触れられないから、一方的に見るしかない。しかも別に誰が演じても同じに見えるシーツを被った姿になる(それでいて時に見せる凶暴さは誰が演じてもいいというわけじゃないんだろう)。そしてシーツを被ってない方も消える。二人だけの話のはずが二人ともいなくなってしまって、関係なさそうな人たちを巻き込み始める。巡り巡って時代を遡って、冒頭に彼女の話していた手紙のエピソードが再現される感動。

またじっと二人を見続けるような映画の印象も変わり続ける。最初は誰かから見つめられているような二人の話から始まって(あの幽霊は夫婦とは別の存在で『ビートルジュース』みたいな展開になるかと思っていた)、しかし夫が先に死んで、彼こそ見つめる側へ変わる。妻にとっては誰か見てくれる人がいないからこそ無為に過ごすしかない時間と、幽霊にとってはじっと見守るしかない時間が重なって、感覚を狂わせる。そして広がっていくズレが扉を行き来する妻、彼女が男を連れてきて幽霊が起こす反応など、それが幽霊側の時間か、生きていくための側の時間か、思い返すほどショット単位で違う。映画全体ではどちら側でもある(あの音楽が引きだす回想)。幽霊は驚かす側から、むしろ家をいきなりぶっ壊されて驚く側に回っているようで、結局ビックリしたのは誰でもない映画を見ている自分でしかない。