夜勤明け。

少し寝てから地点『ロミオとジュリエット』。相変わらず誰が誰を演じているのか(そもそも演じようとしているのかも)わかったような、わからないような勢いで始まって、知ったかぶりしてベケットチェーホフの混ざったと言っていいのか、幽閉空間で延々動いたり止まったりする狂人もしくはゾンビを見るような(その点、ゴダールだけじゃなくてベロッキオやソクーロフを見ていてよかった、という気にもさせる)。ジュリエットらしき女優の奇声が耳を離れず。斜面を舞台に横になっては転げ落ちたり意味不明の反復運動を始めたり、『ミステリヤ・ブッフ』あたりからか、前回の『かもめ』でいよいよ「笑っていいんだ」と肩の力を抜けて見れたが、もはや「俺ら東京さ行ぐだ」レベルで台詞が益々取っつきやすく耳を離れず、それでいてロミオもジュリエットも倒れてからの、どっちが死んだかどっちも死んだか生きているかもわからない、亡骸を弄んでもいるような、名付けられた像を引きづりまわっているような、かと思うとモニュメントのように壁に巨大な影が映る仕掛けまで、やたらめったら面白く、それでいてどんどんと不気味で陰鬱な予感がして、しかし見終わると爽やかという、また最初から言葉の一つ一つをちゃんと受け取りたくて見直したくなる。『おもしろければOKか?』(三浦基)読んだ人全員が気になりそうな一番有名なシーンに行き着くまでの解体に立ち会えただけでも良かった。

合流した知人友人と飲んでいるうちに終電を逃し、久々に朝までカラオケ。楽しかった。