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その②

 

『ザ・ウォーク』(ロバート・ゼメキス)も見た。3D映画を見たのは久しぶりで、しかもこれまで数えるほどしか見ていないけれど、これは3Dで良かったと思う。(どのように彼自身が言っていたか忘れてしまったけれど)何か「理解」を拒んでいながら、しかしその自分の考えを話し続ける語りとマッチしていた気がする。最初は浮き出ていた彼が二重の回想を経て、その浮遊感とは別の着地点に収まっていく。手元の紐を引っ張って綱渡りのための場所を探すあたり、そしてそこからヒロインが登場するまでも、3Dの奥行きが意味を持っていたと思う。さらにまだ完成していない(存在していない)貿易センタービルの画からイメージして模型を作り、そのことが映画から予想できるかもしれない郷愁ではなく、幽霊的なものへ変換する。先日見たオリヴェイラ『レステロの老人』や『アンジェリカの微笑み』が、いくつかのイメージが重なり合って奥行きを見失わせる時の不思議な魅力(波を漂う書籍、動く写真)と比べたくなる謎が、この3Dにはあったかもしれない。

しかし共犯者の一人が言うように、見ていて驚くほど計画実行本番まで辿り着くのが早く感じる。というか実際早かった気がする。それから綱渡りをこれからしようとしていることを忘れそうになる「クーデター」までの案の定いろいろと大変な後半は、高所恐怖症の数学教師?にずっと「感情移入」して汗がダラダラ出た。