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ある映画を見ようとするが、電車に乗った途端、無性にDVDを見たくなった。夜に帰宅するまで我慢する気になれず、三駅ほど進んだところで、引き返すことに決めた。家を出てから一時間ほどで帰宅。まるで自宅が映画館になったかのような気分だ。しかし暑い。

 

15時から『永すぎた春』(田中重雄)。増村保造と縁のある名前が並んでいるけれど、編集も中静達治だった。なぜか沢村貞子とか村田知栄子とかばかり印象に残った。上映後、客が一人怒り出す。あと帰り道に気が付いたら知り合いと隣同士になっていた。特に何の話もせず別れる。

 

勉強。

 

19時から『素浪人罷通る』(伊藤大輔)。何度か逃してきて初見。伊藤大輔の映画を見るたびに小道具たちが主役のような印象が強まる(「御用」の提灯を手にした集団とともに)。アイロン代わりの小手(?)とか、細部へのこだわりがカメラの動きや脇の人物たちとともにブニュエルの映画を見ている時のように目につく。あと子どもたち(子役時代の津川雅彦?)が「まる!」とか言いながら何か振り回しているのも奇妙だけど、まるで『吸血鬼ハンターの逆襲』(西山洋市)のこうもり狩りに使う道具みたいだった。

クライマックスの乗馬した吉宗と、道で座り込んだ天一坊の切り返しを見て、中川信夫が『斬人斬馬剣』で指摘した点を(さらに赤坂太輔さんが引用したから覚えているわけだが)思い出す。(「このスピードにあつても、騎手の上半身をうつす場合に切断されてしまふ。自動車の上に乗ってゐる騎手があまりにはつきりみるものに来るからだ。何故なら、騎手の体が安定してゐる。」)当然その『斬人斬馬剣』のカットは見てないし、他の伊藤大輔にもあったのを忘れているだけかもしれないが、その後の残された紙とともに忘れがたい。

さっきから自分の影響を受けた(真似した)範囲をさらすようなことばかり書いている。あまり自分でものを見れていない気がする。

 

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