『祖父の日記帳と私のビデオノート』(久保田桂子)

いま撮影されている鳥たちを、祖父は窓越しに眺めていたのだろう。戦争の記憶と、目の前の焚火が切り返される。祖父のいた時間といなくなってからの時間が交差する。

祖父から直接聞けた声と、後から日記を読み上げる作家の声の、どちらが耳に残る映画か。祖父の声はひょっとしたら消えてしまうかもしれない。そんな危うさを漂わせながらも、しかし記憶を手放すわけにはいかないと作られた映画だと思った。まるで、タイムマシンに乗ったような気持ちになる。

祖父が地図や文字をなぞる指。寄り添うように孫娘の指も地図に触れる、官能的なカット。彼女の描いた祖父の画とともに、見えない手の触感を想像したくなった。

 

【日時】
7月11日(土)9:00~12:15 (1~2限) 上映は1限 

【場所】
専修大学一号館301教室 
〒101-8425 東京都千代田区神田神保町3-8

【作品について】
http://asianfilm.tank.jp/?p=165

【授業銘は「総合科目」、担当は土屋昌明先生です。...

専修大学で教鞭をとられている森瑞枝先生・土屋昌明先生にお声をかけていただき、今回の授業の1・2限の枠で作品上映とお話をさせていただきます。

一体何を話せばいいんだ!と最近まで頭が真っ白だったのですが、最初で最後の機会だと思いますので、作品で出てきた祖父の日記帳や戦争に持っていった家族写真、祖父がシベリアで着ていた外套や使っていたコップ、古い地図やじゃがいもまで、作品を作る過程でわたしがじっと見ていたものを教室にごろごろと並べながら、作品の中と外についてお話をしたいと思います。

学生以外の方も参加可能です。興味のある方、作品に出てたいろいろなものが見たいなあと思ってくださる方は是非ご参加お願いいたします。(監督のFacebookより引用)】