ジャームッシュ『デッド・ドント・ダイ』。「これは人生のベストになるんじゃないか」というくらい期待していたので我慢できず。予想以上に変な映画だったが、これはこれでいま見るのに相応しいかもしれない。何より黒い煙がいい。攻防が始まると、さすがの…

『金魚姫』(演出:青山真治)

www4.nhk.or.jp たぶんテレビ画面内で一々寄ったりしなくても出たり消えたりを楽しめる大きさが水槽内の金魚くらいのサイズかもしれない。 一寸先は何が起こるかわからない。志村けんだって死ぬし、見たことも聞いたこともない人々が毎日のように死んだり罹…

上映会を明後日に控えて

https://www.facebook.com/events/1840735979393346/ 上田真之さんの『FRAGILE DO NOT DROP KEEP DRY』(2016)、早稲田松竹のプログラマーでもある上田さんのようにカメラの前に立つことのないはずの人間(決して被写体向きではないという話ではない)が本…

上映会告知『知らぬ間に、あなたの隣に映像が!』(仮)

久しぶりに上映会を開催します。 www.facebook.com 予約ご希望の場合はイベントページの「参加予定」にチェック、もしくは下記連絡先まで連絡をお願いいたします。 nkh_irotaka●yahoo.co.jp(●を@へ変更して送信してください) 日付 3/21(土)17:30~21:0…

2019年ベスト

『アド・アストラ』(ジェームズ・グレイ)『ダンボ』(ティム・バートン)『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(クエンティン・タランティーノ)『運び屋』(クリント・イーストウッド)『さらば愛しきアウトロー』(デヴィッド・ロウリー)…

『香港パラダイス』(90年 監督:金子修介)

www.youtube.com www.shogakukan.co.jp 本作の助監督の片島章三は『カツベン!』の脚本・監督補でもあるが、90年にできていたことを2010年代の締めにやる意義を確かめるためにも両方とも見るべきなんだろう。バブル特集が、たとえば国定忠治特集を控えている…

『カツベン!』

http://www.shinwasha.com『ワンスアポン』や寅さんの亡霊がやってくる年に『変態家族 兄貴の嫁さん』の作家が『カツベン!』を撮るのは、もう何の驚きもない必然に見えてくる。 もう渥美清はいないということを映画館にわざわざ確認しにいく意味は所詮かつ…

『悲しみはいつも母に』(中川信夫)

www.amazon.co.jp 主演が羽仁進『不良少年』の不良少年!という話だけ聞いて「なんと野心的!」と見たくてたまらなかった映画が(ぼんやり上映の機会を逃していたわけだが)あっさりAmazon Primeに。 望月優子の感動的な『かあちゃん』と『東海道四谷怪談』…

『ふゆうするさかいめ』

https://totan.tokyo/post/187441774814/%E3%83%88-%E3%82%BF-%E3%83%B3-betunoie-instagram-photos-and-videos totan.tokyo 谷中銀座のトタンにて住本尚子監督『ふゆうするさかいめ』を見る。寝間着と普段着の境目が消失したまま喫茶店で働く女と、布団工場…

『旅役者』(監督:成瀬巳喜男 1940年)

www.shogakukan.co.jp 以前は夜勤明けで見たせいか目が覚めたらラストの暴走で唖然とし、そのまま見たような見ていないような状態で放置していたが、ようやく。尾上ならぬ中村菊五郎一座で馬の脚役を演じる藤原釜足(前足)と柳谷寛(後足)。「菊五郎」の名…

『イメージの本』

『イメージの本』は「手」から始まる。それでも『映画史』からの再利用もあるだろうから、いま見聞きしている画も音も、もういつからあるものなのかわからなくなる。それだけが理由ではないだろうけれど、あたりまえだが「達人」の域さえとっくに超えていて…

『ウィリーが凱旋するとき』

ウィリーは町で一番初めに出願したはずなのに、戦地へ行けないまま故郷の基地で教官として過ごす、実家暮らしの日々。これが彼女と過ごす最後の晩かもしれないという調子で「人生には数分しかない」なんて涙なしには見れない会話もしたのに。それでもあの告…

『遠い明日』(監督:神代辰巳)

三浦友和の実の父(金子信雄)は無実の罪で服役中。真犯人は彼の身元引受人である若山富三郎だった。そんな事件の解決まで、神代辰巳の映画だから真っ直ぐ進むことはない。『アフリカの光』や『ミスター・ミセス・ミス・ロンリー』の、同じ場所をグルグル回っ…

山形育弘脚本・七里圭監督&黒川幸則監督新作上映@キノコヤ

www.facebook.com jackandbetty.net pff.jp 山形には行けなかったが山形育弘脚本特集には遅れて行けた。どれも職探ししたりしなかったりでプラプラした時間を過ごす人々の話だが、特に『Unnamed Road』の、いま見ている世界と自分の望んでいる世界とのギャッ…

『共想』(監督:篠崎誠)

www.youtube.com filmex.jp 渋谷某所にて篠崎誠監督『共想』。初見。『死ね!死ね!シネマ』の、映画を不定形のものにしたい、そもそも映画には見返すたびに異なる姿になってしまう、形のないものであってほしいという欲望と、そうであっても一度見たら忘れ…

『乙姫二万年』(にいやなおゆき)

www.imageforumfestival.com シアター・イメージフォーラム(東京):9/14 15:45 Program Aスパイラルホール(東京):9/21 10:40 Program A愛知芸術文化センター(名古屋):11/8 14:00 Program A 公式サイト otohime20000.wixsite.com twitter.com www.you…

『アスリート ~俺が彼に溺れた日々~』(監督:大江崇允)

www.athlete-movie.com eigageijutsu.com eigageijutsu.com 『美しい術』『適切な距離』の大江崇允監督最新作『アスリート ~俺が彼に溺れた日々~』を見る。これまでの長編二作と違って脚本にクレジットされていないが、それでも登場人物たちが各々の「美し…

25日 www.youtube.com 『マスターズ・オブ・ホラー』(何度目? ややこしい)。ジョー・ダンテ編『ミラリ』は悪ノリの作品たちに挟まれると恐ろしく地味だが、見返したくなるのもやっぱこれだけ。リチャード・チェンバレンが狂気の整形外科医!と言われても…

16日 ラピュタ阿佐ヶ谷にて田中徳三『化け猫御用だ』、池広一夫『薔薇合戦』二本立て。「田中徳三の最高傑作」と聞いてきた『化け猫御用だ』は猫のイラストのタイトルに続いて、初っ端の招き猫の隣で楠トシ枝が歌うシーンから一気に引き込まれる。主役であ…

12日 デヴィッド・ロウリーの『さらば愛しきアウトロー』を早速見る。『ピートと秘密の友達』のドラゴンや『ア・ゴースト・ストーリー』の幽霊たちに続き、ロバート・レッドフォードたちの銀行強盗も人知れず消えていくかもしれない存在だった。クライマッ…

9日 今日も休みだったが映画館には行かず。 検索していたらラオール・ウォルシュ『GLORY ALLEY』見つける。レスリー・キャロンが『巴里のアメリカ人』の翌年に予想外のセクシーな役をやっている……というゲスな欲望が当然のように清々しくどうでもよくなる。…

8日 せっかくの休みだし、久々にTOHOシネマズで映画を見ようと思ったが、見たいと思う映画が一本もない。どの予告編を見ても行こうという気がしない。 それでも『ホットギミック ガール・ミーツ・ボーイ』の二回目に行こうか悩んだが、結局行かなかった。真…

『嵐電』(監督:鈴木卓爾)

今まで見た鈴木卓爾監督作品の中でも、たぶん最もモヤモヤする終わりなのに、ストレートに沁みる。電車にちょうどよく間に合うなんて感覚は、人間が人間である以上、滅多に感じられないのだろう(あがた森魚の音楽だって、なんだかズレて聞こえる)。「行違い…

『しがさん、無事?』(作・演出 青山真治)

www.honda-geki.com ameblo.jp 透明になって常連しかいないバーに迷いこんだような不思議な気分で始まって、最後の挨拶まで感動して拍手せずにいられなかった。先日の文芸坐シネマテークのアラン・レネきっかけにサシャ・ギトリを思い出していたけれど、最後…

『ここにはいない彼女』(作・演出:安川有果)

stage.corich.jp『ミューズ』と通じる舞台でいながら「小説家の妻」だけでなく、小説家自身も作品それ自体の読者よりも、知名度や外見のほうが上回った状況に置かれている。劇中に登場する小説家だけでなくシナリオ講座の学生の作品さえ、登場人物たちの口か…

『ひかりの歌』

hikarinouta.jp 第一章に『牯嶺街少年殺人事件(A Brighter Summer Day)』の「この世界は僕が照らしてみせる」という言葉(自転車に乗った後姿もエドワード・ヤンから切り離せないのだろう)、第二章のジョギングする女性の足、『緑の光線』の選ばなかった…

2018年新作ベスト

『蝶の眠り』(チョン・ジェウン) 『犬ヶ島』(ウェス・アンダーソン) 『草の葉』『それから』(ホン・サンス)※『川沿いのホテル』は見逃した。 『いかにしてフェルナンドはポルトガルを救ったか』(ウジェーヌ・グリーン) 『フィフティ・シェイズ・フリ…

『奈落』(監督:高橋洋 脚本:郷淳子)

eigabigakkou.com 少しだけ映画美学校映画祭。万田邦敏監督作は見逃す。 高橋洋監督『奈落』は演習だから映画美学校内で撮影されて当たり前だろうけれど、舞台上での場面転換のように背景のイントレが移動して、男がスタジオ内を歩いて彼の自室とされたベッ…

水下暢也『忘失について』

www.shichosha.co.jp www.asahi.com 水下暢也『忘失について』を買って、自分にはこんなに読めない漢字、意味を知らない単語が多いのかと驚く(大変失礼ながら作者の名前さえ最初は読めなかった)。現代詩手帖と朝日新聞に掲載された作品を読もうとした時も…

『日本ゲリラ時代』(監督:渡辺祐介 脚本:森﨑東)

「映画芸術」68年10月号より Laputa Asagaya 20th anniversary もう一度みたいにおこたえします|作品解説2/ラピュタ阿佐ケ谷 日本ゲリラ時代 日本ゲリラ時代・台本 ラピュタ阿佐ヶ谷にて『日本ゲリラ時代』(監督:渡辺祐介 脚本:森崎東)を見る。1968年…